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金融工学を学ぶ!

ヒストリカルボラティリティってなに?

簡単に言うと、過去の通貨の動きから、
その通貨の変動幅を数字で表したものをヒストリカルボラティリティと言います。
(略してHVと書くこともあります。)

FXをやっていて、FXのサイトや本を読んでいると、
ボラティリティという言葉をよく耳にするかもしれませんが、
これは厳密にはヒストリカルボラティリティのことを指しています。

南アフリカランドは変動幅が大きいといったことも聞くかもしれませんが、
このような通貨の変動幅を数字で確認できるのがヒストリカルボラティリティです。

たとえばユーロ/円のヒストリカルボラティリティは7.12%になっています。
(検証期間は2003年9月24日から2008年9月24日です。
算出方法は次の「ヒストリカルボラティリティの算出方法」で詳しく説明します。)

これに対し、スワップ派に人気の英ポンド/スイスフランのヒストリカルボラティリティは5.45%となっていて、
ユーロ/円に比べて、変動幅が小さいことがわかります。

基本的にボラティリティが大きい通貨は、
その分為替損益が発生する可能性が高いので、
スワップ派にとってはリスク要因になります。

確かに為替差益が出る可能性も高いのですが、
スワップ派にとっては、為替差益が出るかもしれない!というメリットより、
為替差損が出るかもしれない!というデメリットの方が大きくなります。

スワップ派としては、とにかくレートさえ動かなければ、毎日金利がもらえるんだ!
という考えですから、最終的に為替差益が出て、得したと感じることはあっても、
初めから為替差益を狙っている人というのはあまりいないと思います。

レバレッジをかければ、それほど高いリスクはとらず、
レートさえ変動しなければ年率20%以上も狙えるからです。

ですので、
ヒストリカルボラティリティが小さくスワップ金利が高い通貨が理想の通貨
ということになります。

さらに、変動幅を数字で確認できることのメリットを書いておきます。

たとえば以下のケースを考えてみましょう。

通貨A:スワップ金利9.0%
通貨B:スワップ金利4.75%

スワップ狙いで長期投資しようと考えた場合、
誰でも金利が高い通貨Aに投資した方がお得だと考えるかもしれません。

しかしこの通貨のヒストリカルボラティリティが以下のようになっていたとします。

通貨A:14.5%
通貨B:6.94%

この場合、
通貨Bをレバレッジ2倍で保有した方がお得ということがわかります。

以下は通貨Aをレバレッジ1倍、通貨Bをレバレッジ2倍で保有した場合の、
スワップ金利とヒストリカルボラティリティ(HV)です。

スワップ金利 HV
通貨A 9.0% 14.5%
通貨Bレバ2倍 9.5% 13.88%

ですので、
ボラティリティを考慮すると通貨Bの方が割が合うということになります。

実は上記の通貨Aが2007年ころの南アフリカランド/円、通貨Bが2007年ころの米ドル/円になります。

ですので、高金利通貨に投資する場合は、
金利だけに飛びつくのではなくボラティリティも考慮しなければならないのです!

ただ、ボラティリティが大きくリスクが高い事と、
テクニカル分析とは別の話になります。

ボラティリティが大きくても、テクニカル分析で強い買いサインが出ているときは、
下値不安が少なく、上昇を期待できる局面ですから、
上記の例と全く同じケースでも1,2年の中期的な観点からは、
通貨Aが有利になることも考えられます。