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ちょっと実践的な知識政策金利は高ければ高いほど魅力的?
我々スワップ派にとって、政策金利が高いというのは、
それだけで魅力的な通貨に映ってしまいます。
でも、本当に単に政策金利が高い通貨(政策金利差が高い通貨ペア)に投資すればいい!
というものなんでしょうか?
スワップ運用をはじめて間もない人というのは、
とにかく高い金利であればあるほど、うまみを感じてしまいがちですが、
一方ではなんとなく「本当に大丈夫かな、、」と不安に感じている部分もあると思います。
ここでは、これについて少し触れてみたいと思います。
金利が高すぎる通貨がリスクが高いのは事実 |
高金利通貨の国は、いつかは全て破綻する、
ということではありませんが、
低金利政策を取っている国よりも、
いわばあぶなっかしい国が多いことも事実です。
たとえば、記憶に新しいのはアイスランドクローナです。
ずっと10%以上の高金利政策を取っていましたが、
2008年に経済危機に陥り、通貨は暴落しています。
そもそも、なぜ金利を上げるのかというと、
通貨の価値が下がるからです。
通貨の価値が継続的に下がることをインフレといいますが、
たとえば、インフレ率が10%(通貨の価値が年間10%下がる)の場合、
銀行に預けたお金を10%増やすようにしよう!というのがもともとの金利の役割です。
インフレで物価がどんどん上昇していくようなシチュエーションで、
金利が付かないとすれば、銀行にお金を預ける気にはならないですよね?
極端な例で考えて、たとえば今10万円のテレビを買うとします。
今自分が住んでいる国がものすごいインフレに見舞われていて、
このテレビは毎日274円づつ値上がりしていくとします。
つまり、明日は10万274円、あさっては10万548円・・・
という風に毎日どんどん値上がりしていく(=お金の価値が下がっていく)とします。
この場合に、もし銀行貯金が金利0%だったら、
あなたなら預けますか?
・・・・・・
よーく考えてみてくださいね、、
・・・・・・
今10万円を手元に持っているとしたら、今ならこのテレビは買えますが、
これをもし銀行に預けて1ヶ月後にテレビを買おう!と思っても、
物価が上昇している=通貨の価値が下がっているので買えません。
ということで、預けたら損という結論に行き着くと思います。
10万円のテレビが1日274円づつ値上がりするということは、
1年後にはちょうど20万円になります。
つまりインフレ率100%ということになります。
今の10万円は額面上は変わらないのでわかりにくいのですが、
1年後には実質5万円の価値になってしまうということです。
ですので、こういった状況で国は政策金利を100%にすれば、
10万円を銀行に預けたとしても1年後には20万円になりますから、
実質お金の価値は変わらないようにすることができるのです。
ですので、金利が10%の国は、実は年間10%お金の価値が下落する国である、
と考えたほうがいいのです。
ただここで、我々スワップ派にとってものすごく重要なポイントとなってくるのは、
インフレ率と為替レートは必ずしも連動しない、
という事実です。
たとえば、トルコではインフレが続いていて、
高金利がずっと続いています。
トルコ国内では通貨の価値が継続的に下落していますが、
他の通貨に対しても必ず金利差分だけ通貨の価値が下がるとは限りません。
ここがポイントとなってくるため、
うまくやればスワップ運用で利益を上げることが可能なのです!
通貨の価値が下がる分を金利で補っているということを逆に考えれば、
金利がゼロのときに銀行にお金を預けたとしても、
額面上では変わらなくても、実質価値が増える場合もあるのです。
つまり、わが国日本のような状況です。
金利ゼロでも銀行貯金でお金が増える!? |
数年前に比べて、いろんな商品が確実に安くなってきています。
250円のお弁当や690円のジーンズが登場して、
話題を呼んだりしています。
現在日本では、お金の価値がどんどん上がっていて、
いろんなものの物価が安くなっているのです。
安くなるのは商品の価格だけでなく、
サラリーマンの給料やボーナスも安くなっています。
こういった状況では、どういう人がお得でしょうか?
まず、給料が以前と変わらない人というのは、
額面上は以前と同じであっても、
その給料で買えるものが以前よりも増えることになりますので、
実質給料アップになっているといえます。
また、現在日本の政策金利は0.10%という超低金利ですが、
これでも銀行にお金を預けている人というのは、メリットがあります。
金利がほぼゼロなので、貯金したお金の金額は変わりませんが、
2年前の100万円と今の100万円ならば、今の100万円の方が買えるものが多いからです。
と、小難しいことを長々と書いてしまいましたが、
金利にはこういった役割があったのです。
ですので、高金利通貨に投資する→日本円との為替レートが変わらない、もしくは金利差以内の下落
であればスワップ運用は成功ということになります。
多くの場合、高金利通貨というのはその国ではインフレが起こっていると考えた方がいいでしょう。
ただ、我々はその国で住むわけではありませんから、
最終的には日本円に戻して、お金が増えていればいいのです。
ただ単に政策金利差だけに着目するのではなく、
こういった要因にも着目して、国を分析してみることは大切ですね。