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金融工学を学ぶ!VaRの算出方法
前ページでは小難しい説明をしましたが、
ここまで読んでくれた人なら、
VaRの算出方法はそれほど難しく感じないと思います。
ここでは、「3つ以上の通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法」と同じく、
ニュージーランドドル/円、米ドル/円、英ポンド/スイスフランを、
2002年3月5日から2007年3月5日の期間でVaRを算出したいと思います。
ポートフォリオ全体のHVを算出します |
ポートフォリオ全体のHVを算出します。
(「3つ以上の通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法」で算出したエクセルがある人は、
そのまま使ってください。)
ポートフォリオ全体の金利を算出します |
今回はスワップと為替レートは、
セントラル短資のものを採用しました。
「HV」と「投資比率」の間に「スワップ」「為替レート」「金利」の、
3つの項目を追加しています。
次に、各通貨の金利から、
全体の金利を算出します。
VaRを算出します |
NORMINV関数は、
NORMINV(1-信頼区間,金利,HV)と代入するとVaRを算出してくれます。
今回は信頼区間99%のVaRを求めるので、
NORMINV(0.01,金利,HV)と入力します。
これでVaRが算出され、
-4.57%以内の損失に99%の確率で収まるということがわかりました。
VaRの算出にはNORMINV関数が便利なのですが、
関数を使わずに電卓で算出することも可能です。
信頼区間99%ということは、HVの2.33倍なので、
全体のHV4.06%を2.33倍しますので、VaRは-9.46%となります。
為替の場合はさらにここから金利を考慮しなければならないので、
金利分のリターンを差し引きます。
すると、
9.46%-4.88%=4.58%
となり、関数を使って算出した値とほぼ一致します。
エクセルでは、小数第二位までしか表示されていなくても、
それ以下の端数まで含めて計算してくれますので、
電卓で計算した場合との誤差が発生します。
NORMINV関数を使えば、
金利とHVがわかればVaRを算出できますので、
個々の通貨ごとのVaRを算出することも可能です。
自分は1つの通貨ペアしか持っていない!という人でも、
その通貨の金利とHVを関数に入れればVaRを計算することができます。
ただ、ここで算出したVaRには、
少しだけ注意しなければならない点があります。
次のページで説明したいと思います。