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スワップ派の心得初心者に過度な分散投資は必要ない!?
投資を行う上で、分散投資は必須と言われています。
確かに知識があるのであれば、
分散投資するための分析に膨大な時間が割けるのであれば、
そうなのかもしれません。
しかし為替バカの経験上、初心者がにわか仕込みで分散投資をすると、
それによって得られるリターンよりもリスクの方が大きくなるケースが多いと考えています。
分散投資によるリターンよりもリスクの方が大きくなるケースが多いという理由はたくさんありますが、
ここではその中でも大きいと思うものをピックアップして説明したいと思います。
ポートフォリオのスペックは変化する |
金利差が逆転する可能性も考慮しないといけない!ということを書きました。
これにも少し関連するのですが、
ポートフォリオというのは、作った時点では最高スペックを発揮してくれていても、
金利差の変動や相関係数、ボラティリティの変化などによって、スペックが変わってきます。
(相関係数やボラティリティについては、「金融工学を学ぶ!」で説明しています。)
分散投資をすれば、これらの数値を常に管理して、
金利は最高になるように、ボラティリティは最低になるように、
最適な比率に通貨を入れ替えていかなければならないのです。
しかし、これをサラリーマンや主婦など、
FXとは別に本業がある人が完璧にやろうと思うと非常に大変です。
ポートフォリオを作ったはいいけど、
それ以降ずっとほったらかしで最初と同じ比率、、、
ということでは分散投資をしている気になっているだけで、
実はあまりメリットはないのです。
少額運用で効果的な分散は実質不可能! |
たとえば10万、20万、まして数万円という少額の運用である場合、
本当の意味で効果的な分散投資というのは実質不可能です。
なぜかというと、現在ほとんどのFX業者の取引通貨単位が1万通貨である以上、
最適な分散をするための通貨の保有比率のバランスをとることができないからです。
たとえば、最適なポートフォリオというのは、
いろんな分析をすることによって、
NZドル/円の買い30%
米ドル/円の買い30%
豪ドル/円の買い40%
どうも上記の比率で保有すれば、最もリターンが大きく、リスクが小さくなりそうだな~、
というような感じで作っていきます。
この場合、NZドルが64.3円、
米ドルが90.5円、豪ドルが80.5円である場合に、
1万通貨単位の業者でぴったりこの比率を実現しようと思うとどうでしょうか?
たとえば、全ての通貨ペアを1万通貨づつ買うと想定すると、、
NZドル/円の1万通貨買い→保有比率27.33%
米ドル/円の1万通貨買い→保有比率38.46%
豪ドル/円の1万通貨買い→保有比率34.21%
となります。
これじゃ最適な保有比率と全然違いますよね?
NZドル/円と豪ドル/円の保有比率が少なくて、
米ドル/円の保有比率が多いですよね。
それならNZドル/円と豪ドル/円を1万通貨づつ増やしてみよう!とすれば、
保有比率はどうなるかというと、、
NZドル/円の2万通貨買い→保有比率33.83%
米ドル/円の1万通貨買い→保有比率23.81%
豪ドル/円の2万通貨買い→保有比率42.36%
ちょっと近づいたけど、、今度は米ドル/円が少ないな~、、
米ドル/円を1万通貨増やしてみよう。
NZドル/円の2万通貨買い→保有比率27.33%
米ドル/円の2万通貨買い→保有比率38.46%
豪ドル/円の2万通貨買い→保有比率34.21%
・・・・・・・・
あ!そっか、全部2万通貨だから、
保有比率が1万通貨のときと同じだ!
・・・・
えっと、、じゃあここからさらに、
それならNZドル/円と豪ドル/円を1万通貨づつ増やしてみたら近づくかな、、
NZドル/円の3万通貨買い→保有比率31.35%
米ドル/円の2万通貨買い→保有比率29.41%
豪ドル/円の3万通貨買い→保有比率39.24%
と、ここまでやって、ようやく近づいてきますが、
このポートフォリオの約定代金はいくらかというと、
615万4000円なんです、、
300万もっていてもレバレッジは2倍以上になってしまいます。
1万通貨単位なのできめが粗く、
最適の保有比率に近づけるには、多額が必要となります。
さらにやっかいなのは、
それぞれの通貨の為替レートというのは変わりますので、
バランスが崩れたときにまた最適の比率を保たなければ意味がない、
ということです。
つまり、上記例では
NZドルが64.3円、米ドルが90.5円、豪ドルが80.5円と想定しましたが、
これがもし米ドルの独歩安で、
NZドルが64.3円、米ドルが80円、豪ドルが80.5円となったらどうでしょうか、、、
・・・・・・
あ、少額運用で最適比率を保つのは無理だ、、って思いませんでしたか?
仮に1000通貨単位の業者であれば、運用額を10分の1にはできますが、
それでも常に最適の比率を保つとなると、かなりの金額が必要になってきてしまいます。
こういったことから、個人が運用するレベルの金額で、
本当の意味で効果的な分散投資をするというのは、非現実的なのです。
ロスカットレートがわかりにくくなる |
初心者が過度の分散投資をしない方がいいと思う理由のひとつです。
1つの通貨ペアしか保有しない場合はロスカットレートは明確にわかりますが、
2つ以上の通貨を保有した時点で、ロスカットレートはわからなくなってしまいます。
たとえば通貨Aと通貨Bを証拠金50万円で保有していたとして、
もし通貨Aで含み損が50万円出ていたら、普通であればロスカットなのですが、
通貨Bで含み益が50万出ているとしたら、通貨Aはロスカットにならないからです。
こういったケースは、
分散投資によって得られるメリットを見えないリスクが増えているというデメリットが上回っている典型例、
だと為替バカは思います。
初心者はシンプルに行こう! |
為替バカの今までの経験、そして今までいただいたたくさんのスワッパーからのお便りを総括してみても、
初心者は極力シンプルな運用をし、リスクを明確化することが最重要だと思うわけです!
分散投資をすればするほど、全ての面において複雑化されていってしまいます。
知らないところで見えないリスクが膨らんでいるわけです。
ですので、初心者は極力シンプルに、
できるだけ少ない通貨ペアで運用していった方がいいというのが、
為替バカの意見です。