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最低限必要なスワップ派の知識売りと買いの両方がマイナススワップになっていることがある!?
今まで書いてきた考え方からすると、
通貨ペアは2通貨間の政策金利差によって、
だいたいのスワップ金利が決まりますから、
買いか売りのどちらか一方はプラス、もう一方はマイナスになっているはずです。
2007年はじめころは、英ポンドと米ドルの政策金利は両方とも5.25%で、
英ポンド/米ドルなら、スワップポイントが売り買い両方ゼロになることはありましたが、
それでも両方がマイナススワップになっていることはなさそうに思えます。
しかし、実際には、
売りと買いの両方がマイナススワップになっているケースが存在します!
FX業者のスワップ金利一覧で、売りスワップと買いスワップの、
両方がマイナスになっているケースには、
「インターバンク流の表記方になっている場合」と、
「実際に売りでも買いでもスワップを支払わなければならない場合」の2種類が存在します。
このページでは「インターバンク流の表記方になっている場合」について説明します。
インターバンク流の表記方になっている場合 |
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | 36 | -41 |
ところが、業者によっては以下のように掲載されているケースもあります。
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | -36 | -41 |
このように、売りスワップも、買いスワップもマイナス表記されていることがあります!
これだと、
南アフリカランド/円を買っても売っても、
スワップを支払わなければならないと思ってしまいます。
しかし、実際にはそんなことはなく、
両方マイナスになっていても、
買いでスワップを受け取り、売りでスワップを支払うことになります。
いつも我々が見ている、売りか買いのどちらかがマイナスに表記されているスワップ金利一覧というのは、
実は初心者向けの表記になっていて、
本来インターバンクで使われている表記は両方マイナス、または両方プラスになっています。
ちょっと難しい話になりますが、
一応さらっと読んでみてください(笑)
実は我々がポジションを保有した場合、
そのポジションは2日後には一度決済されなければならないルールになっています。
しかし、長期保有したいと思っているのに、
2日おきにいちいち買いなおしていたら面倒で仕方ありません。
ですので、FXでは、通貨を買った場合は、
毎日自動的に「売り」→「買い」という取引を行ってくれています。
これは本人は全く意識しなくても自動で行ってくれているため、
本人からすればさも長期保有できているように感じます。
このように、2日後の決済期限を永遠に延長してくれる仕組みを、
ロールオーバーと言います。
(「ロールオーバーと値洗いについて」で、もう少し詳しく説明しています!)
そして、実はスワップ金利というのは、
ロールオーバーで毎日買い戻す時に、
少し安く買い戻すことによって発生しています。
もし売りポジションを保有している場合は、
買いの場合とは逆に、ロールオーバーで少し安く売り直すことによって、
日々スワップを支払うことになります。
つまり安く買い戻せた場合は、その分がプラスになり、
安く売り直した場合はその分がマイナスになります。
そしてロールオーバー時にどれくらい安く買い戻せるか?
どれくらい安く売り直さなければならないか?をあらわしたのが、
インターバンク流の表記法になったスワップ金利一覧なのです!
なので、売りも買いも両方マイナスのスワップになっていたんです!
では、具体例で考えて見ましょう。
たとえば今、南アフリカランド/円のレートが、
通貨 | BID | ASK |
ZAR/JPY | 17.0400 | 17.1200 |
となっているとします。
そして、その業者の1万ランドあたりの1日のスワップが、
通貨 | 買いスワップ | 売りスワップ |
ZAR/JPY | -36 | -41 |
となっている場合、1万ランドの買いに対して1日に36円ですから、
1ランドに換算すると、0.0036円ということになります。
この0.0036円をASKのレートから引いたものが、
ロールオーバー時に買戻しできるレートになります。
通貨 | BID | ASK |
ZAR/JPY | 17.0369 | 17.1164 |
このように考えると、
買い持ちの場合は、
ロールオーバー時に17.1200円で売ったランドを17.1164円で買い戻せる、
売り持ちの場合は、
ロールオーバー時に17.0400円で買ったランドを17.0369円で売り直さなければならない、
ということになり、買いの場合はスワップがもらえることになり、
売りの場合はスワップを支払うことになるのです。
ですので、両方マイナスに表記されているのは、
ロールオーバー時にレートがどれだけ安くなるか?
という意味で記載されているのです。
このように、はじめは少しとっつきにくい仕組みになっているのですが、
とっても簡単な覚え方があるので、
次のページの最後の方で紹介します!