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金融工学を学ぶ!

2つの通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法

ここまでで、
1つの通貨ペア単独のヒストリカルボラティリティの算出方法を説明しました。

ですので、
ユーロ/円は7.12%、
英ポンド/スイスフランは5.45%、
というようなことが、過去のデータからわかるようになりました。

しかし、これだけだと、
ユーロ/円と英ポンド/スイスフラン単独のヒストリカルボラティリティはわかっても、
ユーロ/円と英ポンド/スイスフランを一緒に保有したときに、
結局ポートフォリオ全体としてのボラティリティがどれくらいになるのかがわかりません。

そこでここでは、
2つの通貨ペアを合計したヒストリカルボラティリティの算出方法を説明します。

ただし、ここで説明する方法では、
2つの通貨ペアまでしか合計できません。

3つ以上は少し複雑になるので、
ここではワンクッション置くために、
とりあえず2つの通貨ペアを合計したボラティリティの算出方法を説明します。


 HV、相関係数を算出します
「ヒストリカルボラティリティの算出方法」「相関係数の算出方法」で説明した方法で、
各通貨ペアのHVと相関係数を算出します。

ここでは、2002年3月5日から2007年3月5日の、
ニュージーランドドル/円と米ドル/円を検証します。
(検証期間は少し古いですが、
2013年4月24日現在でも算出方法は全く同じ手順でできますので大丈夫です。)

HV、相関係数を算出する


 投資比率を追加します
2つの通貨ペアにどれくらいの比率で投資するかが関係してきますので、
投資比率を入れておきます。

投資比率

この投資比率はあとでいじりますので、
ここではとりあえず0.5つづにしておきます。

上の画像のように、
片方を入力すると、自動的にもう一方が計算されるようにしておくと便利です。


 2通貨ペアを合計したHVを算出します
最後に、2通貨を合計したヒストリカルボラティリティを算出します。

ただ、ここが若干ややこしいのですが、
以下は公式として、こういうもんだと思っておいてください。

式

Aが通貨ペアA、Bが通貨ペアBと考えてください。

これをエクセルに数式として入力する場合は、

SQRT((AのHV*Aの投資比率)^2+(BのHV*Bの投資比率)^2
+2*相関係数*AのHV*BのHV*Aの投資比率*Bの投資比率)

となります。かなりややこしいですね(汗)

2通貨合計のHV

これで、投資比率を考慮した、
ニュージーランドドル/円、米ドル/円のHVを合計したHVが計算されました。


計算結果は4.43%となりました。

これは、
それぞれの通貨を単独で保有した場合よりかなり低い数値になります。

相関係数が-0.41となっているため、
分散効果が効いた結果となっています。

これなら、米ドル/円だけを保有するより、
より金利の高いニュージーランドドルもあわせて保有したほうが、
リターンも大きく、リスクも低くなることが統計学的に確認できました。

さらに、投資比率を調整して、
よりベターな比率を見つけることも可能です。